鉱物標本のグレードについて
このページではどういう鉱物標本の価値が高いとされるのかという評価の根拠についての紹介と、個別の標本画像について紹介いたします。
鉱物標本に対する評価の3つの基準は、ひとつめにその鉱物が鉱物種として希少であるという評価の基準、2つめにその鉱物が同種の中で良い物かどうかという評価の基準、3つめに数種類の鉱物が生じている標本の場合、その組み合わせの希少さという評価の基準があります。。希少種である場合には、それぞれの単独の評価基準で評価される場合と、評価軸の組合わせで評価される場合があります まず一つめの評価基準である鉱物種としての希少さでありますが、究極的には世界で産地が唯一であるという場合で、なおかつ産出している量が極端に少ないといったものが、最も希少となります。世界で産地がひとつしかないような鉱物でも、量的に数多く産する場合、希少さは薄れます。 これらの鉱物を評価する鉱物コレクターの数は、かなりのマニアといえる部類であり、全分類から見れば少なくなりますが、鉱物コレクションするための意欲のとても高い鉱物コレクターですので、希少性の高い鉱物に対する評価は高いです。それとその希少な鉱物であると決める際に、各種の分析機器を使用して分析する必要があるため、その分析費用が上乗せされて鉱物標本の値段がより高くなっている傾向があります。希少であるのと、美しいというのを兼ね備えた鉱物ばかりではありませんので、なぜこの粉のようなものの評価が高いのかといった希少鉱物コレクターではない人々から訝しがられたりする部分もあります。 2つめにその鉱物が同種の中で良い物かどうかという評価についてですが、この評価についてはどこを見るのかでより細分化されます。 大きさ 透明度 色合い 結晶のシャープさ 表面の照り 結晶の面の数など 大きさについては、大きければ大きいほど一定の評価を受けますが、大きいものほど美的ではないという一般傾向があります。 透明度については、結晶の全体が透明であればあるほど良いとされますが、鉱物種によっては透明感の全くないものがあり、そのようなものは結晶のシャープさや色合い、表面の照りなどが評価の対象となります。 色合いについてですが、その鉱物種の一般的な色合いというものがあり、それらと異なったものの評価が高くなることもあります。また一般的な色合いのものでもより鮮やかなものや、赤や青といった系統の色合いは、見た目の美しさから評価が高くなる傾向にあります。 結晶のシャープさについては、結晶の角の部分に細かい結晶面が生じているために、シャープさに欠け、結晶が丸みを帯びてぼーっとした印象に見えるものがあります。基本的にはそのようなものよりも角のしっかりとした結晶が評価されますが、ぼーっとしたような結晶でも味があるとして評価される場合もあります。表面の照りについては、結晶面が平滑で反射光がきらりと光るようなものの評価が高くなります。これも細かい結晶面が増えたり、結晶面そのものの光沢がまったくない場合に評価が低くなることがあります。 結晶面の数については、その鉱物の一般的な結晶面よりも、より細かく結晶面が美しく出た場合や、一般的ではない結晶面がある場合に評価が高くなります。 3つめの鉱物種の組み合わせの珍しさについては、ある程度の鉱物学的知識やどれだけの標本数を見てきたかといったより深いものが要求されることがあります。世界には日本にはない鉱物種類の組み合わせというものがあり、それを楽しむというのも楽しいです。 逆に評価の悪くなる場合について述べさせていただきます。評価悪くなるというのは端的に言って美的ではなく、なおかつ大量に産しているような鉱物標本ということになります。 美的でないということは、標本に傷が多い、結晶が一部にしかついていない、他の美しくない鉱物に覆われたり、結晶面が食われたりしている結晶や色が悪い、透明感がなく結晶が濁っている、そもそも結晶が小さくて悪いといったことがあります。 以下標本の画像について解説を加えております。ご参照下さい。時々標本追加します。 |